ウツボ狙いの仕掛けは、針を大きくするだけでは不十分です。歯が当たる部分にはワイヤーを使い、針・ワイヤー・接続金具をまとめて確認します。太い仕掛けでも、針が伸びたり、ワイヤーの留め具が抜けたりすれば、そこで切れてしまいます。
まずは太軸の針と、破断強度が表示された釣り用ワイヤーを選ぶと比較しやすくなります。以下の数値は仕掛けを選ぶための一般的な目安で、和歌山の特定の釣り場や魚の大きさに合わせた実績値ではありません。
針は号数よりも軸の太さと形を見る
候補になるのは、石鯛用などの太軸で丈夫な針です。石鯛針なら15〜20号前後を比較の出発点にできますが、同じ号数でも製品によって大きさや軸の太さが違います。号数だけで強度を判断しないようにしましょう。
餌を付けたときに針先が埋もれず、針先と軸の間に余裕があるものを選びます。大きな切り身を小さな針に詰め込むと、餌は取られるのに掛からない原因になります。
- 軸:細軸の針ではなく、負荷をかけても伸びにくい太軸を選ぶ。
- 針先:丸まりや欠けがないか確認する。
- 接続部分:ワイヤーを傷つける角や、抜けにつながる隙間がないか見る。
針の号数は、そのまま「何kgまで耐える」という表示ではありません。強度を重視するなら、対象魚や用途が明記された製品を選び、メーカーの説明も確認してください。
ワイヤーは「歯への対策」と「引っ張り強度」を分けて考える
ウツボの歯が触れる位置に、ナイロンやフロロカーボンのハリスをそのまま使うと、太くても切られるおそれがあります。針につながる部分には、歯による傷に対応する釣り用ワイヤーを使うのが基本です。
強度表示を比べるなら、100lb級を一つの候補にすると分かりやすいでしょう。100lbは約45kgですが、これはワイヤー単体の表示を換算した数字です。完成した仕掛けで45kgを掛けられるという意味でも、45kgの魚を抜き上げられるという意味でもありません。
実際の強さは、素材、接続方法、傷み具合によって変わります。想定する魚の大きさや使う道具に合わせ、製品の用途と表示を確認して選びます。
長さは30〜50cmほどを出発点に
針から上のワイヤーは、30〜50cmほどを仕掛け作りの出発点にできます。ただし、これで歯や体が必ずワイヤー内に収まるわけではありません。魚の大きさや餌ののみ込み方によっては、その上のラインにも傷が入ります。
長くすれば安心とは限らず、扱いにくさや絡みも増えます。釣り上げた後はワイヤーだけでなく、その上のラインまで確認してください。
仕掛けの弱点になりやすいのは接続部
丈夫なワイヤーを使っても、スリーブの圧着が不適切なら抜けることがあります。自作する場合は、ワイヤーの太さに対応するスリーブと専用工具を使い、製品指定の方法で加工します。普通のペンチでつぶすだけでは、安定した強度を出しにくいことがあります。
スイベルやスナップも強度表示を確認しましょう。太いワイヤーに小さな金具を組み合わせると、金具が先に変形する可能性があります。自作に不慣れなら、用途と強度が確認できる完成品のワイヤーハリスから始める方法もあります。
- 圧着部分にずれや抜けがないか。
- ワイヤーに折れ癖、つぶれ、ほつれがないか。
- スナップが確実に閉じ、変形していないか。
- 針先や軸に傷みがないか。
一匹釣った後や、根掛かりを外した後は必ず点検します。強く折れたワイヤーや、素線が切れたワイヤーは交換してください。
強い仕掛けでも、根から無理に引きはがさない
ウツボが岩の隙間に入り込むと、仕掛けが強くても簡単には出せません。ドラグを締め切って力任せに引くと、竿やリールの破損、針やオモリの跳ね返りにつながります。ワイヤーの表示強度を基準にせず、竿・リール・道糸を含めた道具全体に無理のない負荷で扱ってください。
根掛かりを引くときは、糸を手や体に巻き付けず、仕掛けが外れた際に人へ飛ばない位置を確保します。釣り場の立入制限や釣りの可否も、現地の表示で確認しましょう。
釣った後に触らず処理できる準備を
ウツボは取り込み後も体をくねらせ、かみ付く危険があります。手袋をしていても、口元へ手を近づけてよいわけではありません。長いプライヤーなどを用意し、素手で針を外そうとしないでください。
針を深くのまれた場合も、口へ指を入れたり、無理にこじ開けたりしないこと。安全に扱う道具や手順に不安があるなら、経験者と一緒に始めるのが無難です。ウツボ狙いでは、仕掛けの強度と同じくらい、釣った後の扱いまで準備しておくことが大切です。
